携帯の審査が通らない理由とは？考えられる原因と対策

今や私たちの生活に欠かせないスマートフォン。しかし、いざ新規契約や機種変更をしようとした際に、「審査に落ちて契約できなかった」という経験をしたことがある方、あるいはそうならないか不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

携帯電話会社（キャリア）が契約時に行う「審査」。これは一体何を見ているのでしょうか？そして、なぜ審査に通らないという事態が起こるのでしょうか？

この記事では、携帯契約の審査に落ちてしまう主な原因を多角的に分析し、それぞれの原因に対する具体的な対策について詳しく解説していきます。審査に通らず困っている方はもちろん、これから契約を考えている方も、ぜひ参考にしてください。

携帯契約における「審査」とは？なぜ必要なのか
審査に落ちる主な原因：あなたはどれに当てはまる？
審査に通らない場合の対策：具体的なステップ
まとめ

携帯契約における「審査」とは？なぜ必要なのか

まず、なぜ携帯電話会社が契約時に審査を行うのか、その背景を理解しておきましょう。

携帯電話の契約、特に端末代金を分割で支払う場合や、月々の利用料金が後払いになるプランでは、キャリアにとって「料金を確実に回収できるか」というリスクが伴います。また、不正な名義での契約や、犯罪目的での利用（振り込め詐詐の連絡手段など）を防ぐ必要もあります。

そのため、キャリアは申込者に対して、主に以下の点を確認するための審査を実施します。

支払い能力の確認: 月々の利用料金や端末の分割代金を、継続的に支払う能力があるか。
本人確認と信頼性の確認: 申込者本人が実在し、申告内容に虚偽がないか。過去に料金トラブルなどを起こしていないか。
不正利用リスクの確認: 契約が不正な目的で利用される可能性がないか。

これらの確認を通じて、キャリアは自社のリスクを管理し、健全なサービス提供を維持しようとしています。

審査に落ちる主な原因：あなたはどれに当てはまる？

では、具体的にどのような場合に審査に通らないのでしょうか。考えられる主な原因をカテゴリー別に見ていきましょう。

原因1：支払い能力に関する問題

最も審査に影響しやすいのが、お金の支払いに関する履歴です。

携帯料金の未払い・滞納（最重要チェック項目）
- 過去に契約していた携帯電話（他のキャリアも含む）の利用料金や、端末代金の分割支払いを滞納したことがある場合、その情報はキャリア間で共有されています（TCA: 電気通信事業者協会、TELESA: テレコムサービス協会）。
- この「不払い情報」が登録されている状態（いわゆる「携帯ブラック」）では、新たな契約は極めて困難になります。完済しても、情報が消えるまでには一定期間（通常、完済後5年程度と言われることもありますが、状況によります）が必要です。
- 対策: まずは未払い分を速やかに支払うことが大前提です。心当たりがある場合は、過去に契約していたキャリアに問い合わせてみましょう。
信用情報機関への事故情報登録（金融ブラック）
- 端末代金を分割払い（割賦契約）で購入する場合、キャリアは信用情報機関（CIC、JICCなど）に申込者の信用情報を照会します。
- 過去にクレジットカードの支払いを長期間延滞した、ローン返済を滞納した、自己破産や任意整理などの債務整理を行った、といったことがあると、事故情報（異動情報）として登録されている可能性があります。
- この情報があると、分割払いの審査に通らず、結果として契約できないことがあります。
- 対策: 信用情報機関に情報開示請求を行い、自身の登録内容を確認します。事故情報がある場合、その情報が消えるまで（通常、契約終了や完済から5年程度）待つか、端末代金を一括払いで購入することを検討します。
収入の不安定さ（総合的な判断要素）
- 直接的な原因となることは少ないですが、申込書に記載された職業や勤続年数などから、支払い能力が著しく低い、または不安定だと判断された場合、特に高額なプランや最新機種の分割払いでは、審査に影響する可能性もゼロではありません。
- 対策: 安定した収入があることを示す（勤続年数を正直に記載するなど）、あるいは支払い可能な範囲のプランや端末を選ぶ、といったことが考えられます。

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原因2：過去の利用状況や申し込み履歴に関する問題

過去の携帯電話の利用方法や、申し込みの仕方にも注意が必要です。

短期間での契約・解約の繰り返し
- キャッシュバックや特典目当てなどで、短期間（数ヶ月程度）に契約と解約を繰り返した履歴があると、キャリアから「不正利用のリスクがある」「転売目的ではないか」などと警戒され、審査に通りにくくなることがあります。
- 対策: 一度契約したら、ある程度の期間は利用を継続することが望ましいです。
強制解約の履歴
- 過去に料金不払いなどの理由でキャリアから契約を強制的に解除されたことがある場合、その情報は社内記録（及びキャリア間共有情報）として残り、同一キャリアや関連会社での再契約は非常に難しくなります。
- 対策: 強制解約に至った原因（未払いなど）を解消することが第一ですが、それでも厳しい場合は他のキャリアを検討する必要があります。
短期間での多重申し込み（申し込みブラック）
- 審査に不安があるからといって、ごく短い期間（例えば1ヶ月以内）に複数のキャリアや代理店に次々と申し込みを行うと、「お金に困っているのでは？」「不正な目的があるのでは？」と疑われ、かえって審査に通りにくくなることがあります。これは「申し込みブラック」と呼ばれる状態です。
- 対策: 審査に落ちた場合でも、やみくもに申し込みを繰り返さず、まずは原因を特定し、対策を講じてから、期間を空けて（最低でも6ヶ月程度）再度申し込むようにしましょう。

原因3：申し込み内容や書類の不備

意外と見落としがちなのが、手続き上のミスです。

本人確認書類の不備
- 提出した本人確認書類（運転免許証、マイナンバーカードなど）の有効期限が切れている、記載されている住所が現住所と異なる、氏名が一致しない、書類が不鮮明で読み取れない、などの不備があると審査に通りません。
- 対策: 申し込み前に、書類の有効期限や記載内容をしっかり確認しましょう。引っ越しをした場合は、速やかに住所変更手続きを行う必要があります。
申し込み情報の誤り・虚偽記載
- 申込書やオンラインフォームに入力した氏名、生年月日、住所、連絡先などに誤りがあると、本人確認ができず審査に通りません。意図的に虚偽の情報を記載することは絶対にやめましょう。発覚した場合、契約できないだけでなく、詐欺罪などに問われる可能性もあります。
- 対策: 入力・記入内容は、送信・提出前に必ず複数回確認しましょう。
支払い方法設定の不備
- 登録しようとしたクレジットカードの有効期限が切れている、利用限度額を超えている、あるいは指定した銀行口座の情報が間違っている、残高不足で引き落としが確認できない、といった場合も契約手続きが進みません。
- 対策: 有効なクレジットカードや、引き落とし可能な銀行口座情報を正確に登録しましょう。

原因4：その他の要因

上記以外にも、以下のようなケースが考えられます。

未成年者
- 未成年者は原則として単独で契約を結ぶことができません。親権者の同意と、親権者名義での契約（または親権者の同意書・同伴）が必要です。
- 対策: 親権者に相談し、必要な手続きを踏みましょう。
外国籍の方の在留資格・期間
- 外国籍の方が契約する場合、在留カードの提出が必要となり、在留資格の種類や残りの在留期間によっては、分割払いができなかったり、契約自体ができなかったりする場合があります（特に在留期間が短い場合など）。
- 対策: キャリアの定める条件を確認し、必要な書類を準備しましょう。
キャリア独自の審査基準
- 上記いずれにも明確に当てはまらない場合でも、各キャリアが独自に設定している内部的な審査基準（総合的な判断）により、契約が見送られる可能性も否定できません。

審査に通らない場合の対策：具体的なステップ

もし審査に落ちてしまったら、以下のステップで対策を進めましょう。

原因を特定する（最重要）
- キャリアへの問い合わせ: まずは申し込みをしたキャリアや店舗に、審査に落ちた理由を可能な範囲で確認してみましょう。（ただし、詳細な理由を開示してもらえない場合も多いです）
- 信用情報の開示請求: CICやJICCなどの信用情報機関に、自分の信用情報がどのように登録されているかを確認します。インターネットや郵送で手続きできます。（手数料がかかります）
- 未払い情報の確認: 過去に携帯料金の未払いがあったか、記憶が曖昧な場合は、以前契約していたキャリアに問い合わせて確認しましょう。
原因に応じた具体的な行動
- 未払い料金の支払い: 未払いが原因なら、最優先で支払いを済ませます。
- 信用情報の回復/待機: 事故情報が登録されていたら、情報が消えるのを待つか、地道にクレジットヒストリーを改善していく必要があります。
- 書類の再確認・準備: 書類の不備なら、正しい書類を揃えて再挑戦します。
- 端末代金の一括払い: 分割払いが原因なら、一括払いでの購入を検討します。中古端末の利用も視野に入れましょう。
- 申し込み期間を空ける: 多重申し込みが原因なら、最低6ヶ月は期間を空けます。
審査基準が異なる選択肢を検討する
- 格安SIM（MVNO）: 大手キャリア（MNO）に比べて、独自の審査基準を設けている場合があります。特に、端末のセット販売がないプランや、デビットカード・口座振替に対応している事業者なら、契約できる可能性があります。（ただし、MVNOも審査は行います）
- キャリアのサブブランド: Y!mobileやUQ mobileなどのサブブランドは、メインブランドと審査基準が異なる可能性も指摘されていますが、一概には言えません。
- プリペイド携帯: 前払い式なので、基本的に信用情報の審査はありません。すぐに利用したい場合の選択肢となります。
- 家族名義での契約: 最終手段として、家族に契約者になってもらう方法がありますが、責任の所在を明確にし、家族に絶対に迷惑をかけないことが条件です。