観光地には行かない旅。海外の「ホームセンター」でその土地の暮らしの根っこに触れる

観光名所を巡り、名産品を味わう。それも旅の醍醐味ですが、一歩踏み込んでその土地の「暮らしの根っこ」に触れたいのであれば、訪れるべき場所はホームセンターかもしれません。土産物店には並ばない、現地の人が日常的に使う建材や道具の中にこそ、その国の文化や知恵が色濃く反映されています。今回は、ホームセンターを起点とした新しい旅の視点と、そこで見つけた道具を日本の暮らしに取り入れる工夫について紐解きます。

現地の生活圏へ飛び込む。ホームセンターが教えてくれる土地の記憶

どこの国へ行っても、ホームセンターには「暮らしを作るための道具」が整然と並んでいます。しかし、その内容は国や地域によって驚くほど異なります。例えば、乾燥した地域では石材やレンガの種類が豊富であり、森林資源が豊かな国では木材の加工精度や金具のバリエーションに独自の進化が見られます。こうした建材を眺めることは、その土地の気候風土や、人々がどのような住まいを理想としているかを知る、知的で刺激的な体験となります。

こうした現地の生活圏に深く入り込む旅には、レンタカーの活用が欠かせません。多くのホームセンターは郊外の広大な敷地に位置しており、公共交通機関ではアクセスが難しい場合が多いからです。また、魅力的な建材や道具に出会った際、重量やサイズを気にせず持ち帰るための「拠点」としても車は機能します。観光ルートから外れ、現地の人々に混じってカートを押す時間は、単なる旅行者から一歩進んで、その街の住人になったような感覚をもたらしてくれます。

フランスで見つけたペイントブラシ。実用が生む「機能美」の発見

海外のホームセンターを巡る中で、思わぬ「美」に出会うことがあります。例えば、フランスのホームセンターの塗装用品売り場。そこには、日本では見かけないような素材使いのペイントブラシが並んでいることがあります。天然の豚毛を使用し、筆先を留める金具には鈍い光を放つ銅が使われているような道具です。本来はペンキを塗るための消耗品として作られたものですが、そこには職人の道具としての無駄のない造形美と、長く使い続けられる実用性が共存しています。

こうした道具を見つけたとき、本来の用途に縛られる必要はありません。天然毛のブラシは適度なコシと柔らかさを兼ね備えており、実は掃除道具としても非常に優秀です。サッシの溝や階段の隅、あるいは繊細な家具の隙間など、細かな場所の埃を払うのに適しています。出しっぱなしにしていてもインテリアを損なわないデザインであれば、手に取りやすい場所に置いておくことができ、結果として日々の家事が軽やかになります。本来の役割を超えて、暮らしを整える相棒として再定義する。それもまた、旅先で道具を選ぶ楽しみの一つです。

旅の安全と快適を支える、コンパクトな相棒たち

見知らぬ土地のホームセンターや住宅街を探索する際、心強い味方となるのが機能的なスモールアイテムです。特に夜間の移動や、照明の限られた倉庫のような店内、あるいはレンタカーでの作業時に欠かせないのが、コンパクトなLEDライトです。モンベルの「クリップオンコンパクトライト」は、単4電池1本で駆動する極小サイズながら、衣服やバッグに簡単に装着できる汎用性の高さが魅力です。周囲に自分の存在を知らせるシグナルとしての機能も備えており、不慣れな夜道の散歩でも安心感を与えてくれます。

また、ムサシの「護衛さんライト」のように、クリップ式で両手を自由に使えるライトも重宝します。バッグの持ち手やポケットに挟むだけで足元を明るく照らし、地図を確認したり荷物を整理したりする際の手間を軽減してくれます。こうした機能的なライトを一つ忍ばせておくだけで、旅の行動範囲はぐっと広がります。さらに、お気に入りの石鹸を一つ持参することも、現地の生活に馴染むための知恵です。慣れない環境の中でも、使い慣れた香りと道具があることで、レンタカーでの移動や宿泊先での時間が、より自分らしいものへと変わっていきます。

旅の記憶を日常に馴染ませる。道具の転用とスタイリング術

旅先で手に入れた実用的な道具を日本のインテリアに馴染ませるには、その「質感」に注目することがポイントです。海外のホームセンターで見つけた無骨な金属製のフックや、素朴な風合いのブラシなどは、あえて現代的な日本の住宅に取り入れることで、空間に心地よいリズムを生み出します。例えば、銅製の金具がついたブラシを洗面所に吊るしておくだけで、実用的な掃除道具がオブジェのような佇まいを見せ始めます。

大切なのは、それらを「特別な記念品」として仕舞い込むのではなく、日常の道具として使い倒すことです。ペンキを塗るためのブラシで窓枠を掃除し、現地の職人が使うような頑丈なバケツを鉢カバーにする。本来の用途から離れても、その道具が持つ本質的な美しさは失われません。むしろ、日本の暮らしの中で新しい役割を与えられることで、モノには新しい命が吹き込まれます。旅先での発見が、帰国後の何気ない家事の時間を少しだけ豊かにしてくれる。それこそが、ホームセンターを巡る旅の最大の収穫と言えるでしょう。

まとめ

有名な観光地を訪れるだけが旅ではありません。現地のホームセンターに足を運び、そこで働く人々や並んでいる道具に目を向けることで、その土地の文化の深層に触れることができます。機能美を備えた道具を日常に取り入れ、自分なりの感性で使いこなす。そんな知的で実用的な旅のスタイルは、私たちの暮らしをより彩り豊かなものに変えてくれるはずです。次の旅では、ぜひレンタカーを借りて、現地のホームセンターへ向かってみてはいかがでしょうか。

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